こんな夜には静かな旅を~vol.15
彼からの返事はすぐにあった
翌日、樫の樹のうろには手紙が入っていた
“Hallo, Emma
とても嬉しかった
君が喜んでくれてよかった
でも僕はもっと嬉しい気持ちだ
こんなすばらしいショールをもらえたのだから
カミーレの色は僕の一番のお気に入りなんだ
ありがとう Theo”
私は早速返事を書いた
“Hallo,Theo
私も喜んでもらえてとても嬉しいわ
あなたのくれた宝箱は、暖炉に置いているの
毎日見ているわ
私の大好きな景色がいつもここにあるのがとても嬉しいわ
あなたは一流の芸術家ね
そう言えば私の拾ったドックタグはあなたのものだったのかしら?
よければまた返事をください Emma Griebel”
私はまた樫の樹に手紙を託した
翌日、すぐに彼からの返事が来ていた
”Hallo Emma
そう、あのドックタグは僕のものなんだ
もうすぐ徴兵になるから、作ったんだ
僕は戦争になんか行きたくない
でも、僕はEmmaを戦争の被害に合わせたくない
だから、僕は戦ってくるよ
君と家族のために
無事に戦争が終わって帰ってこれることを祈ってくれるかい? Theo”
私は驚いた。戦争?彼が何を戦争と言っているのか理解しかねた
軍にでも入るのだろうか?
でも今のドイツはどことも戦争なんてしていない
軍役のことを言っているのだろうか?
そんなに厳しいものなのだろうか?
私は疑問を彼に投げかけることにした
”Hallo、Theo
戦争なんて物騒ね
私のところはとても平和よ
軍に入るの?
軍役はそんなに厳しいものなのね
いつから行くのかしら?
もちろんあなたが無事に帰ってこられるように祈っているわ Emma”
それから毎日樫の樹のポストには彼からの手紙が届いた
あの手紙から、彼は一度も戦争の件は触れてこなかった
いつも私のことをたずねる内容だった
私の誕生日
私の住んでいるところ
どんな家にすんでいるのか
誰と暮らしているのか
何がすきなのか
彼はあるとあらゆることを尋ねてきた
もちろん私も彼にいろいろと質問をしたが、彼は何かを隠しているのかすべてを語っていないように思えた
そして12月になろうとしたころから、彼の手紙は来なくなった
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