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2010年3月21日 (日)

こんな夜には静かな旅を~vol.24

ロルフは小箱を開けて、ドックタグを取り出した
この写真のものだ。小鳥のチャームもついている
そこに刻印された名前は間違いなくテオ・ハーマンだった
あの時は刻まれていなかった誕生日は1925年…

ロルフはまた話し出した
「テオ爺さんは、僕たちが学校でしか習わない戦争に出兵しました。
 あの多くの戦死者を出した、世界大戦に。でも、なんとか生きて帰ってくることができました。
 片足を失っていたけれど、それ以外はたいしたことはなかったらしいです。
 僕も何度も会ったことがあるけれど、とても静かで優しい人だった。
 その日記は彼が戦争から帰ってきてからつけ始めたそうです。
 いつか、貴女に渡せることを願って」

彼の表情が少し曇った

「もちろん、彼はすべてのことを自分で貴女に伝えるつもりだったんです。 でも…」

彼は言葉を切った
私の心臓がトクンと警鐘を鳴らした

「間に合いませんでした」

彼はテーブルに視線を落とした

「間に、合わなかった?」
私の声はかすれていた

突然の出来事
突然の事実
あまりにも突然動き出した事実に私の気持ちは全くついていくことはできなかった

「今年の秋に、テオ爺さんは僕を呼びました。そのとき彼は風邪をひいていました。
 彼自身、たいしたことはないと言っていたのですが、体の変化に気がついていたのかもしれません。
 彼は僕に貴女とのことを話してくれました。
 そして、貴女と会って欲しいと頼みました。
 僕は、付き添うから自分で行くように言ったんです。
 そのときは、彼の話を信じてはいませんでした。
 年寄りの戯言だろうと…」
彼はゆっくりと、噛みしめるように話をした

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コメント

次第に明かされていくテオの事
そこに感じられそうな人と人との温かさ
しかしそれをすぐには伝えきれない現実の距離感
でもゆっくりとその温度は感じられそうで
実際にエマには伝わってきていて
ボクらにもそれは響いてきます
現実を受け入れる 受け入れなければならない器の大きさが
次回必要な、そんな予感がしています。

投稿: にゅ~ | 2010年3月21日 (日) 08時16分

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